MENU

【事例つき】WebマーケティングのKPI設定方法を3ステップで解説

WebマーケティングのKPI設定方法

Webマーケティングは、施策や広告を打った際の効果測定がしやすいことが特徴です。しかし、正しくKPIを設定できていないと、「成功だったのか失敗だったのかわからない」「次のアクションにどうつなげれば良いかわからない」ということになりかねません。

今回は、KPIの設定方法を3ステップでわかりやすく解説します。KPIの基本情報からKPI設定時に意識すべきポイント、具体的な設定事例もあわせて紹介しますので、Webマーケティング初心者も必見です。

KPIの設定でお悩みの方は、この記事を読んで正しい設定の仕方をマスターしましょう。ぜひ最後までお読みください。

WEB広告運用、LP制作、SEO対策、
その他WEB集客施策のご相談 等

WEBマーケティングのことなら
アクトデザインラボ にご相談ください

目次

WebマーケティングにおけるKPIとは?KGI、KSFとの違い

KPIは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」や「重要達成度指標」と呼ばれています。 目標達成のためのカギとなる指標のことで、目標達成度合いの計測と評価をするために使われます。

KGIは「Key Goal Indicator」の略で、「重要目標達成指標」とも呼ばれています。KPIが目標達成の中間指標であるのに対し、KGIは最終的な指標、つまり最終ゴールを意味します。

KSFは「Key Success Factor」の略で、「主要成功要因」です。つまり、KGIを達成するために必須の要素のことです。KGIは最終目標なので一つですが、KSF、KPIは複数設定します。

たとえば、KGIが「ECサイトの売上5億円」だとすると、KSFはそのために必須の要素ですので、「リピート率を上げる」「コンバージョン率を上げる」等が考えられます。KPIはKSFを達成するための指標ですので、複数設定できます。

また、計測・評価できるよう具体的な数値を設定します。「リピート率を上げる」というKSFに対しては、「メルマガ登録率を50%に上げる」「リターゲティング広告のクリック率を30%に上げる」等となります。KPIの設定の仕方については後ほど具体的なステップで紹介します。

KPIを一つずつ達成していくことで、KGIが達成されるという形になるように設計しましょう。Webマーケティングは、広告やSEO、SNS等の様々な施策を同時並行で実施するため、複雑なKPI設計になりやすいですが、ここをしっかりと設計しておくことで、目標管理が各段にしやすくなります。

また、KPIは適切な頻度で進捗を確認しましょう。進捗が思わしくない場合は、原因を探り軌道修正します。素早い修正がきくところがWebマーケティングの良い点ですので、KPIを正しく管理することでスピード感を持ってPDCAを回すことができます。

KPIを設定する3つのメリット

KPIの設定はなかなか骨の折れる作業です。業務が忙しいと時間を取られるのは惜しいですが、最初にKPIをしっかり設定することで業務を進めやすくなります。ここでは、KPIを設定する3つのメリットを紹介します。

  • ①目標と課題が明確になり業務効率があがる
  • ②目標達成までの進捗状況を把握できる
  • ③関係者の目線が揃う

①目標と課題が明確になり業務効率があがる

KPI、KGI、KSFを設定する過程で、目標が明確になるだけでなく、現状の課題は何か、どうすればその課題を解決できるか、ということを考えることになります。

これにより、目標を達成するために注力すべきポイント、注力しなくてもよいポイントが明らかになります。注力しないポイントを明確にすることは非常に重要です。皆さんの中にも、施策を打ったものの「これをやる必要はあった?」と後で気づいてしまうという経験がある方はいないでしょうか?

注力すべきポイント、しなくてもよいポイントを明確にすることで、目標達成までの最短ルートが見え、効率よく業務を進めることができるでしょう。

②目標達成までの進捗状況を把握できる

中間指標であるKPIを設定し、達成度を測ることで、最終目標達成までの進捗状況を把握できます。

KPIを設定せずKGIだけを管理していると、施策が終わった後になって、「目標までほど遠い結果だけど、もう費用も時間も使い切ってしまった…」ということになりかねません。

KPIを設定、管理していれば、進捗が思わしくない場合でも、施策の途中段階で軌道修正をかけたり、新たな施策を追加したりするといった対応を取ることができます。

③関係者の目線が揃う

KPI・KGI・KSFを設定・共有することで、担当者間だけでなく、事業部長や代理店など関係者全員に共通認識が生まれ、目線が揃います。

進捗が思わしくなく軌道修正をかける場合でも、関係者がKPI・KGI・KSFを共通認識として持っていれば、意思決定がスムーズになります。上司から、「何でその数値目標にしたのか?」等と問われ、一からまた説明するということが起きません。

スムーズな意思決定は、PDCAサイクルの加速につながり、スピード感を持って目標に到達できるでしょう。

Webマーケティングでよく使われる11のKPI指標

KPIとして設定される指標は、課題や目的によって様々です。ここでは、Webマーケティングでよく使われる11のKPI指標を紹介します。

  • ページビュー(PV)数
  • ユニークユーザー(UU)数
  • セッション数
  • コンバージョン率(CVR)
  • 直帰率
  • 離脱率
  • 資料請求・問い合わせ数
  • 顧客単価
  • 顧客獲得単価(CPA)
  • クリック率(CTR)
  • リピート率

課題や目的と照らし合わせて、どの指標が適切か検討してみましょう。

①ページビュー(PV)数

ページビュー(PV)数は、Webページが閲覧された回数のことです。単純にページが表示された回数をカウントするため、同じユーザーが複数回ページを訪れた場合はその都度カウントされます。

PV数が多いページはユーザーの興味関心が高いページだといえます。

②ユニークユーザー(UU)数

ユニークユーザー(UU)数は、Webサイトを訪れたユーザーの数のことで、1人のユーザーが何度も訪れた場合も1とカウントされるため、純粋なユーザー数を見ることができます。

新規顧客を獲得するためには、UU数を伸ばすことが必須になります。

③セッション数

セッション数は、ユーザーがWebサイトを訪れた回数のことで「訪問数」とも呼ばれます。1人のユーザーがWebサイトを訪れ、離脱するまでの行動を1セッションといいます。ユーザーがすぐに離脱した場合も、複数ページを閲覧してから離脱した場合もセッション数は1とカウントされます。

セッションは馴染みのない言葉ですが、セッション数は直帰率や離脱率、コンバージョン率の計算など、よく使われる指標です。

④コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率(CVR)は、Webサイトを訪れたユーザーの中で、購入や申込等、特定のアクション(コンバージョン)を完了したユーザーの割合のことで、以下の式で求めることができます。

  • コンバージョン率=コンバージョン数÷セッション数×100%

コンバージョンはサイトの目的によって異なり、ECサイトであれば購入をコンバージョンとすることが多いでしょう。

コンバージョン率は、サイトのパフォーマンスを評価する重要な指標です。コンバージョン率が高いということは、サイトを訪れたユーザーを効率よく期待する行動につなげられているといえます。

⑤直帰率

直帰率は、最初に訪れたページを閲覧した後、他のページに飛ばずそのまま離脱したユーザーの割合のことで、「直帰したセッション数 ÷ 全体のセッション数 × 100」で求められます。

直帰率は、ページの目的によっては低くても問題ありませんが、広告の遷移先のページの直帰率が高い場合などは注意しましょう。原因として、ユーザーが期待していた内容ではなかった、ページが見づらかった等が考えられますので、改善が必要になります。

⑥離脱率

離脱率は、特定のページを閲覧した後、他のページに飛ばず離脱したユーザーの割合のことで、次の式で求められます。

  • 離脱率=特定のページからのサイト離脱数 ÷ 特定のページ閲覧を含むセッション数 × 100%

購入ページや申込フォームのページの離脱率が高い場合はコンバージョン率を下げる要因になっていると考えられるため要注意です。購入商品や数量がわかりやすく記載されているか、フォームが長すぎないか等、離脱の原因を探りましょう。

⑦資料請求・問い合わせ数

資料請求・問い合わせ数は、Webページを通して資料請求や問い合わせがされた数のことで、コンバージョン数とされることもあります。

扱う商品やサービスが高額な場合は購入のハードルが高いため、購入までの途中段階である資料請求・問い合わせ数をKPIに設定することもあります。

⑧顧客単価

顧客単価は、1人の顧客が1回あたりの購入で支払う平均金額のことで、次の式で求められます。

  • 顧客単価=売上金額 ÷ 売上件数

売上は「購入件数×顧客単価」ですので、売上を上げるうえで顧客単価は非常に重要な指標です。

⑨顧客獲得単価(CPA)

顧客獲得単価(CPA)は、1件のコンバージョンを得るためにかかったコストのことで、広告の効果測定で使われることが多い指標です。「広告にかけたコスト ÷ コンバージョン数」で求めることができ、CPAが低い広告は費用対効果が高いといえます。

費用は有限ですので、コンバージョン数だけを見るのではなくCPAもあわせて確認するようにしましょう。

⑩クリック率(CTR)

クリック率(CTR)は、Webページを訪れたユーザーのうちリンクをクリックしたユーザーの割合のことで、「クリック回数÷ページの表示回数」で求められます。ページ内のリンクだけでなく、メルマガ内のリンクや広告がクリックされた回数で計算することもあります。

せっかくリンクを設置していてもCTRが低いと意味がありません。設置場所やリンクに誘導する文言を見直すだけでもCTR向上につながります。

⑪リピート率

リピート率は、初回購入したユーザーのうち、2回以上購入したユーザーの割合のことで、ある一定期間の「リピート購入者数 ÷総購入者数」で求められます。一般的に、新規客の獲得は高コストになりがちですので、リピート率を高めることでコストを抑えて売上を上げることに繋がります。

リピート率が高い商品・サービスで、リピート率が下がっている場合は要注意です。競合への流出、ブランドへのロイヤルティ低下が懸念されるため、メルマガやDM等で早急に対応するようにしましょう。

WebマーケティングのKPIを設定するための3つのステップ

「KPIを設定するときに何から始めたら良いかわからない」という人もいるかもしれません。いきなり具体的なKPIを考え始めると、KGIやKSFとの整合性がつかなくなる恐れがあるため、おすすめしません。KPIの設定は、次の3つのステップに沿って進めましょう。

  • ステップ①:WebマーケティングのKGIを設定する
  • ステップ②:現状の課題・KGIとの関連性からKSFを設定する
  • ステップ③:KPIツリーを作成する

ここでは、例として自社商品を扱うECサイトのWebマーケティング担当として、KPIを設定する場合を考えてみます。

ステップ①:WebマーケティングのKGIを設定する

KPIの設定は、最終目標であるKGIから逆算していくことが大切です。KGIは測定可能な具体的な数値で表すようにしましょう。また、期間を設定することも忘れてはいけません。

ここでは、KGIを「2024年のECサイト売上5億円」としましょう。

ステップ②:現状の課題・KGIとの関連性からKSFを設定する

ステップ②では、KSFを設定します。まず、ステップ①で設定したKGIを達成するための要素を挙げましょう。「ECサイトの売上5億円」というKGIに対しては、次のようなものが考えられます。

  • セッション数を増やす
  • 直帰率を下げる
  • コンバージョン率(CVR)を上げる
  • リピート率を上げる
  • 顧客単価を上げる

この中で、現状課題があるものや、自社商品の特徴からKGIとの関連性が高いものがKSFになります。通常、KSFは複数設定されます。

自社商品が、ターゲットが狭めの高価格帯商品だと仮定すると、コンバージョン率やリピート率を上げることが売上拡大との関連性が高いと考えられるため、ここでは、KSFは「コンバージョン率を上げる」「リピート率を上げる」の2つにします。

ステップ③:KPIツリーを作成する

最後にKPIを設定し、KPIツリーを作成します。KPIは、KSFを実現するための目標指標ですので、計測可能な具体的な数値で設定することが大切です。KSFの設定時と同様に、まずはKPIの候補を複数検討します。その中から、優先度の高さやマーケティング施策との関連性の高さからKPIを決定します。

「コンバージョン率を上げる」というKSFに対しては、「広告経由の訪問者の直帰率を50%にする」「購入ページの離脱率を30%にする」等が考えられます。

KPIが設定できたら、KPIツリーを作成して、KGI・KSF・KPIが一貫した流れになっているか、KPIの達成がKGIの達成につながるものになっているかを確認しましょう。

WebマーケティングのKPIを設定するときに意識したい「SMARTの法則」

Webマーケティング初心者やKPI設定に慣れていない人は、「SMARTの法則」を意識しながら設定することをおすすめします。KPIを設定した後のチェック項目としても使えますので、ぜひ押さえておきましょう。

  • Specific:具体的か
  • Measurable:測定可能か
  • Achievable:達成可能か
  • Relevant:組織の目標と関連しているか
  • Time-bound:期限が明確か

Specific:具体的か

まずは、KPIが具体的になっているかを確認しましょう。KPIは具体的な数値で表されていることが望ましいです。

たとえば、「コンバージョン率(CVR)を上げる」という数値を含まない曖昧なKPIを設定した場合、1%だったCVRが1.5%に上昇した際、KPIを達成したといえるかどうか、人によって判断が異なる可能性があります。

「コンバージョン率(CVR)を1.5%に上げる」のように、具体的な数値を用いて設定することで、関係者間でのズレを防ぐことができます。

Measurable:測定可能か

測定可能かどうかも重要なポイントです。

数値を用いて設定したとしても、数値の算出に必要な要素が曖昧だったり、算出に時間がかかりすぎたりすると、施策の軌道修正をスピーディーに行うことができません。

KPIの進捗は何度も確認することになるため、業務効率を上げるためにも簡単に測定できる指標にしましょう。

Achievable:達成可能か

KPIは、達成可能で現実的な目標であることも大切です。

技術的に不可能、予算的に不可能というものはもちろん、難易度が高すぎるものも避けましょう。あまりに高い目標を設定してしまうと、担当者の負担になり、モチベーションが下がりかねません。

また、改善の余地があるものにしましょう。既に限界近くまで数値が伸びているものをさらに伸ばすことは難しく、現実的ではありません。

Relevant:組織の目標と関連しているか

組織の目標との関連性も確認しましょう。関連性が薄いと、取り組む必要性が低いと判断されたり、達成しても評価されなかったりする恐れがあります。

組織だけでなく、場合によっては会社の経営目標との関連性が必要になるかもしれません。KGIの内容に合わせて判断しましょう。

Time-bound:期限が明確か

期限を決めておくことも重要です。いつまでに達成する必要があるかを明確にすることで、達成までのスケジューリングが可能になり、適切なタイミングでKPIの進捗確認ができます。

関連部門や代理店へ業務を依頼する際も、期限が曖昧なまま進めると、他の案件や業務を優先され、いつまでもKPIを達成できないということにもなりかねません。

アクトデザインラボが実施したWebマーケティングのKPI設定事例

当社アクトデザインラボ株式会社では、あらゆる業種や業界の企業様のWebマーケティングを支援しています。当社が支援したKPI設定事例を2つ紹介するので、参考にしてみてください。

事例1:葬儀・エンディング業界A社様

A社様は、Web集客全体としての目標は立てていたものの、チャネルごとの実績把握や目標設定ができておらず、有効な施策を実施できていなかったことが課題でした。

Web集客として、SEOやMEOなど複数のWeb広告を実施していたため、まずは最終的な成果(KGI)がどのチャネル経由で生まれたのかを追える状態に整えました。また、各チャネルごとにKPIツリーを整理したことで、改善が必要なKPIを特定しやすくなりました。

その結果、成果に繋がりやすい施策を立案し実行するまでの一連の流れを効率よく行える状態になり、PDCAをスピーディーに回せるようになりました。

事例2:カー用品業界B社様

B社様は、店舗とECサイトの両方で製品販売を行っていましたが、KPIを整理できておらず、KGI達成のために取り組むべき事項の優先順位が判断しづらいことが課題でした。

そこで、まずは店舗とECサイトそれぞれに詳細なヒアリングを行いKPIツリーを整理しました。これにより、全体の販売目標を達成するためにはどのチャネルでどの程度の販売目標が妥当かが明確になりました。また、KGI達成のために取り組むべき最優先事項が明確になり、成果につながる施策を効率よく実施できるようになりました。

まとめ

ここまで、KPIの基本情報と設定するメリット、設定するためのステップを詳しく解説してきました。KPIを正しく設定することで、Webマーケティングの強みである効果測定のしやすさ、軌道修正の容易さを活かして事業を前に進めることができます。

KPIは設定して終わりではありません。KPIマネジメントということばがあるように、KPIは定期的に進捗を確認し、遅れている場合は要因を探り、素早く軌道修正します。そして、また数週間後に進捗を確認し、前回の修正の方向性が正しかったかを確認します。このようにスピーディーにPDCAサイクルを回すことで、効率的に目標に近づくことができます。

今回紹介した3つのステップに沿って正しくKPIを設定、管理することで、WebマーケティングのPDCAを適切に回しましょう。

当社アクトデザインラボ株式会社では、お客様とコミュニケーションを取りながら、課題を浮き彫りにし、企画・設計〜開発運用までワンストップで支援しています。WebにおけるKPIの設定方法がわからない、運用がうまくいかないとお悩みの方は、ぜひ一度当社にお気軽にお問い合わせください。

WEB広告運用、LP制作、SEO対策、
その他WEB集客施策のご相談 等

WEBマーケティングのことなら
アクトデザインラボ にご相談ください

目次