デジタルマーケティンで成果を出すためには、一部の施策を単発で行うだけでは実現できません。戦略設計から実行・改善までのサイクルを継続的に回しつつ、自社内にノウハウを蓄積していくことが求められます。
しかし、担当者がいなかったりノウハウがなかったりすると、自社で「成果を出すデジタルマーケティングの仕組み」を構築するのは至難の業です。そこで注目されているのが、「伴走支援」を取り入れることです。デジタルマーケティングの伴走支援をしてもらうことで、外部パートナーとともに成果を作り出し、内製化を実現できることが大きな特徴です。
今回は、当社アクトデザインラボが実際に伴走支援をした事例をもとに、どのように課題を解決し成果を生み出したのかを解説します。「成果を出す仕組みを作りたい」「社内にノウハウを残したい」と考えている方は本記事を参考にし、デジタルマーケティングの伴走支援も検討してみてください。
デジタルマーケティングにおける「伴走支援」とは
近年、デジタルマーケティングの現場で注目されているのが「伴走支援」というスタイルです。
その名のとおり、デジタルマーケティングにおける「伴走支援」とは、外部パートナーが一緒に伴走しながら支援してくれるスタイルのことを指しています。ただ単純に業務を代行するのではなく、企業のマーケティング担当者と伴走しながら戦略立案から実行・改善までを支える支援形態を指します。
伴走支援の最大の特徴は、成果を作り出すだけではなく、社内にノウハウを残す点です。戦略の立案から実行・改善までを支援してくれるため、企業の担当者も実務を共に進める中でスキルや判断力を養うことができ、社内体制そのものが強化されていきます。デジタルマーケティングの伴走支援とは、いわばCMO(Chief Marketing Officer)を会社に雇うことに近いといえるでしょう。
伴走支援の特徴
伴走支援における外部パートナーは、企業のマーケティング担当者と共創する立場であり、主体となることはありません。自社の社員として一緒に業務を遂行するかのように、戦略から施策の実行・検証・改善までを一貫してサポートしてくれる点が特徴です。
伴走支援を取り入れることで成果を出すことはもちろんですが、成果が出なかったとしても「なぜ成果が出なかったのか」「次回以降どのように改善することで、成果に近づくか」といった知見を得ることもできます。
広告運用やSEO対策などのデジタルマーケティングを推し進める中で、伴走支援であれば社内に学びが蓄積され、長期的に自走できる体制作りにつながるのです。
コンサルティングや代行との違い
伴走支援を理解する上で欠かせないのが、従来型の「コンサルティング」や「代行」との違いです。コンサルティングと代行の概要は次のとおりです。
| 支援スタイル | コンサルティング | 代行 |
|---|---|---|
| 特徴 | 戦略設計や改善策の提案が中心 | 実務を丸ごと任せられる |
| メリット | 外部知見を取り入れられる | 広告運用や記事制作などを丸投げできる |
| デメリット | 社内で実行するためのリソースが不足していると、施策が進まない | ・成果は出ても社内にノウハウが残らない ・自走できない状態が続きやすく、依頼を打ち切ると成果も止まってしまう |
このように、コンサルティングにも代行にも、長所・短所があります。
一方、伴走支援の場合は、コンサルティングと代行の良いところを兼ね備えつつも、リスクを最小限に抑えることも可能です。外部パートナーが設計から実行までをともに進めるため、着実に施策を動き出すことができ、同時に社内の担当者が知識やスキルを吸収できるため、長期的に自走しながら成果を出していくことも可能になるのです。
デジタルマーケティングの伴走支援が注目されている理由
デジタルマーケティングの領域で伴走支援が注目されているのは、次の3つの理由があるためです。
- デジタル人材が不足し、ノウハウが属人化しているから
- 施策が断片的で成果につながらないから
- 市場や技術の変化スピードに対応する必要があるから
従来のコンサルティングや代行だけでは、十分に成果を出しにくい状況になっています。加えて、デジタル人材の不足やそもそもの採用難といった、企業を取り巻く環境の変化と相まって伴走支援の必要性は高まっているのです。ここでは、上述の3つの理由について解説します。
デジタル人材が不足し、ノウハウが属人化しているから
多くの企業では、デジタルマーケティングを専任で担当する人材が不足しています。あるいは、他業務もあるため片手間でこなしているのが現状です。さらに、デジタルマーケティング業務が特定の個人に偏ってしまい、その人が退職・異動することによって、一気に知識・ノウハウが失われてしまうリスクもあります。
伴走支援では、外部パートナーが並走する形で実務に携わるため、社内担当者が日々の業務を通じて知見を学び、組織に蓄積させることができます。その結果、「属人化の解消」と「自走できる体制作り」を同時に実現できるのです。
施策が断片的で成果につながらないから
「SEOだけ」「広告だけ」「ウェビナーだけ」のように部分的な施策に取り組んでも、期待する成果に結びつかないケースは多くあります。知識やスキルが社内に蓄積されていないこともその理由ですが、デジタルマーケティングの担当者がいなかったり、担当者が他業務を兼務していたりすることで、起こり得る事象です。
BtoBでもBtoCでも、顧客が購買に至るまでのプロセスは複雑化してきており、単一施策だけでは効果を発揮しにくいのです。
伴走支援なら、戦略の全体設計から実行・改善までを包括的にカバーできるため、複数の施策を組み合わせて相乗効果を生み出していくことが可能となります。その結果、「点の取り組み」ではなく複数の点がつながった「線でつながった施策運用」が実現でき、安定的に成果を出す基盤を作ることができるのです。
市場や技術の変化スピードに対応する必要があるから
デジタル領域は、日々アップデートがあり、検索アルゴリズムの変化やSNSの新機能、広告媒体の仕様変更が頻繁に発生します。デジタルマーケティングに全く取り組んでいない会社や、取り組んではいるものの担当者の知見があまりない会社は、その最新情報を掴むことも至難の業です。情報をつかめないことで、徐々に競合との差が開いていくこともあるでしょう。
伴走支援では、常にデジタルマーケティングの最前線で走っている外部パートナーの最新知見を取り入れることができるため、変化にいち早く気づくことができるようになります。つまり、「外部パートナーに伴走してもらい、知見を取り入れる=スピードアップ」という構図が成立するため、競争力を維持しながら取り組みを続けられます。
デジタルマーケティングの伴走支援で得られる効果
企業によって、「今すぐに結果がほしい」「長期的にブランドを育てたい」「社内にスキルを残したい」など、抱えている課題はさまざまです。デジタルマーケティングを伴走支援してもらうことで、どういった課題に直面している企業であっても、課題解決をしていくことが可能です。
では、デジタルマーケティングの伴走支援によって、どのような効果が実際に得られるのでしょうか?ここでは、伴走支援を導入することで得られる主な3つの効果を解説します。
- 広告運用やCV改善による即効性のある効果
- SEO施策やPRによる中長期的なブランド認知の向上
- 社内スキルの向上・ルール作り
広告運用やCV改善による即効性のある成果
広告配信の最適化やLPの改善によって、短期的なCV数の向上・CVRの改善を見込むことができ、即効性のある成果を手に入れることができます。
今までの広告運用データやGoogleアナリティクスやヒートマップツールから得られるデータを元に、知見が豊富な外部パートナーに伴走支援をしてもらうことで、すぐに成果を実感できるでしょう。
SEO施策やPRによる中長期的なブランド認知の向上
SEO施策やPRの面で伴走支援をしてもらうことで、中長期的なブランド認知の向上という成果が得られます。コンテンツが資産として積み上がり、軌道に乗ってくればコストを最小限に抑えながら検索流入が見込めるため、中長期的に成果を得ることが可能です。
成果が出るまでに一定の時間がかかるため、広告運用の最適化・LPの改善と併せて同時に取り組むことで、短期的にも中長期的にも成果が得られるようになります。
自社のマーケティング基盤をより強固にしたいのであれば、短期的な施策と中長期的な施策を掛け合わせるようにしましょう。
社内スキルの向上・ルール作り
営業や売り上げといった数値面での成果だけではなく、社内スキルやノウハウの向上・社内におけるマーケティングのルールが確立されるといった成果も得られます。外部パートナーと二人三脚で取り組む過程で、実務を通して社内メンバーが広告運用やSEOの考え方、データ分析の仕方などを学ぶことができ、自然とスキルが身についていきます。
また、業務フローやKPI設計のルール化を進めることで、特定の担当者に依存せずとも組織としてマーケティングを回していける状態を作ることが可能です。結果として、伴走支援が終了した後も「自社メンバーだけで持続的に成果を出し続けられる」状態を目指すことができるのです。
デジタルマーケティングの伴走支援の主な内容
では、デジタルマーケティングの伴走支援では、具体的にどのような支援を受けられるのでしょうか?ここでは、支援内容を次の4つに分けて解説します。
- 戦略設計
- 実行支援
- 分析・改善
- 社内教育・内製化のサポート
戦略設計
まずは、土台づくりとして、マーケティングの目的やゴール、KPIの設定を明確にする戦略設計です。ターゲットやペルソナを定義し、「誰に向けて」「どんな価値を届けるのか」という方向性・ロードマップを整理し、実行段階で迷わず動ける状態を一緒に整備します。
いくら施策(戦術)が良いものだったとしても、戦略がブレていたり適切でなかったりすると、本来得られる成果よりも小さな成果になってしまいかねません。外部パートナーは、目的や達成したいことに対して適切な戦略を立てられるように、伴走支援を行います。
実行支援
目的に対して適切な戦略を立てることができたら、続いて施策(戦術)の実行を行います。外部パートナーによって得意な領域は異なりますが、広告運用やコンテンツ制作、SNS活用などの実務を伴走しながら支援してもらえます。
ただし、伴走支援は代行とは異なるため、自社の担当者が主体となって手を動かしていくことが必要になるため、事前に実行体制を整備したり、リソースを確保したりしておく必要があります。自社にノウハウを蓄積させたり、社員のスキルアップを図ったりするためにも、外部パートナーに任せるのではなく、積極的に動いていける環境づくりをしておきましょう。
分析・改善
施策(戦術)を実行したらそれで終わりではなく、施策の結果が良かったのか・悪かったのかを判断するための、分析・改善が必要です。伴走支援をしてもらうことで、アクセス解析や広告レポートに基づいて「何が上手くいっていて、どこに課題があるのか」を明確にしてもらうことができるため、改善策を立てていくことができます。
実際の定量的なデータを元にPDCAを回すことで、短期的な成果だけではなく社内に「データを根拠に判断する文化」を醸成できることもメリットです。PDCAを自社メンバーが回せるようになると、サポートが終了した後も自走していくことができるため、中長期的に成果を出していける体制が整います。
社内教育・内製化のサポート
伴走支援をしてもらうことで、社内で持続的に成果を出せる状態を作るための教育や、仕組みづくりもサポートしてもらえます。社員向けに勉強会を行ってくれたり、マーケティングツールの導入支援や業務フローのマニュアル化もサポートしてくれたりするため、デジタルマーケティングのスキルが全くないとしても安心です。
「支援がなくても自走できる状態」をゴールに据えることで、外部に依存せず自社だけで成果を出し続けられる体制が整います。
デジタルマーケティングの伴走支援先企業の選び方・比較のポイント
続いて、伴走支援を依頼する会社の選定のポイントについて解説します。せっかく伴走支援を導入したとしても、自社の課題や体制、求める成果に合わないパートナーを選んでしまうと、「こんなつもりではなかった」となる可能性があります。依頼先を決める前に、次の4つのポイントをもとに選定を行いましょう。
- 実績と専門領域
- 契約形態や期間と費用感
- コミュニケーションや支援の体制
- 成果測定の方法
実績と専門領域
まずは、支援実績が豊富な企業なのか、ホームページの事例や、商談のタイミングで確認しましょう。どのような実績を有しているのかは重要な判断材料です。
実績が豊富で継続率が高いという事実だけでも十分な安心材料にはなりますが、特に自社と同じ業種を支援したことがあるか、自社と同じ規模感の支援実績が豊富なのかを確認すると良いでしょう。
また、会社によって広告運用が得意・SEO対策が得意といった具合に、得意な領域が異なります。自社の課題や目的と、候補となる会社の専門領域が合っているかも確認してみてください。
契約形態や期間と費用感
契約形態や期間、費用感についても必ず確認しましょう。契約形態には、月額契約の場合もあれば、プロジェクト単位の場合もあります。
中長期的に伴走し、自社のノウハウもしっかりと蓄積させていきたい場合は月額契約を選択し、特定のプロジェクトや短期的な施策実行を支援してもらいたい場合は、プロジェクト型を選択すると良いでしょう。場合によっては、企業に応じて設計する「カスタマイズ型」のプランを用意している会社もあるため、自社の課題や目的に合わせて選択してみてください。
また、契約期間も「最低6ヶ月から」「最低12ヶ月から」と会社によって異なります。しっかりと伴走支援をし、社内にノウハウを蓄積させるには、ある程度の時間も必要です。「短い方がコストも抑えられる」という理由で判断するのではなく、期間とコストのバランスを考え、最適な会社を選定してください。
コミュニケーションや支援の体制
伴走支援では、「どの程度綿密にやり取りができるか」は、成果を大きく左右します。定例ミーティングの有無や頻度、専任の担当者がつくかどうか、窓口が一本化されているかは必ず確認しましょう。
また、レスポンスの早さや柔軟性も重要です。商談の場では「急なトラブルのときはどのように対応してくれるのか」「定例だけでなく臨時の打ち合わせにも応じてくれるか」を確認し、実際の対応イメージを持っておきましょう。
客観的な視点からコミュニケーション体制・支援体制を把握したい場合には、導入事例を確認し、実際の顧客の声から判断することも有効です。
成果測定の方法
成果の測定方法が明確かどうかも確認しましょう。「この施策でコンバージョンを〇〇件獲得する」といったマーケティングにおけるKPIや、レポートの頻度や形式、次の改善提案までしてくれるかは、伴走支援において非常に重要なポイントです。
また、「伴走支援開始から〇〇ヶ月後には契約を〇〇件締結する」など、自社の伴走支援をしてもらうにあたってのKPIを設定しているかも確認しておくと安心です。数字で成果を可視化できるかどうかは信頼できる会社かどうかを見極める重要なポイントになりますので、しっかりと確認しましょう。
デジタルマーケティングの伴走支援の成功事例
当社アクトデザインラボは、今までに多様な業界のデジタルマーケティングを伴走支援してきました。最後に、どのような業種の伴走支援を実施したのか、どういった成果を生み出してきたのか、主な事例を3つ紹介します。
ケース1:商社|SEM体制の整備で安定したリード獲得を実現
こちらの商社では、これまで営業担当者に依存していたリード獲得をデジタルマーケティングに切り替えたいが、どのように取り組むべきかがわからないという課題がありました。
当社が支援に入った際には、まず注力すべき商材を特定するため、ビジネスモデルの整理や市場・競合分析を伴走しました。集客の方向性をともに考えて定めた上で、専門メンバーと協力しながら記事コンテンツやLPの制作を実施しました。
さらに、PDCAサイクルを回すための仕組みを作るため、成果を数値で管理できるダッシュボードや意思決定プロセスを整え、継続的に改善を重ねるための仕組みも構築しました。
その結果、SEMを通じて、安定的な問い合わせを獲得できる体制が整いました。この事例は、集客の前段階で「商材選定」と「運用体制の整備」を当社が伴走支援したことが、継続した成果の創出につながった好例です。
※SEM(Search Engine Marketing)とは、検索エンジンを活用したマーケティングの総称。具体的には、SEOやリスティング広告の両者を組み合わせることで、短期・中長期の両軸で集客を強化する施策です。
ケース2:物流|精度の高いターゲティングで登録事業社数を3倍に
こちらの物流会社では、過去に行った集客施策が思うような成果につながらず、費用対効果の改善が大きな課題となっていました。当社が支援に入った際は、既存施策を洗い出し、効果を検証するところからスタートしました。
そこから、既存顧客データを活用して「長く利用してくれる企業像」を定義し直しました。その分析をもとにターゲティングを最適化し、配信メディアや広告クリエイティブの改善の実施を行いました。
導入のハードルを下げるためにトライアル条件も見直し、結果的には予算は以前と変わらず、登録事業社数を3倍に増加させることができました。既存施策の洗い出しや既存顧客データを活用した分析によって、伴走支援が終了した後も、誰を対象にした施策を行っていけば良いのかという道筋が明確になりました。
ケース3:人材紹介|段階的にマーケティングを横展開し問い合わせ数を10倍以上に拡大
こちらの人材紹介会社では、Web経由での問い合わせが伸びず、どのサービスから強化すべきかが判断できないという課題を抱えていました。
当社が支援に入った際は、まずはビジネスモデルやサービス内容を整理し、競合調査も含めて重点的に取り組むサービスの選定を実施しました。その後、ディレクターやWeb集客に強いメンバーを加えて、戦略立案から施策の実行までを伴走しました。
取り組みを開始してから3ヶ月後には、Web経由での問い合わせは従来比で10倍以上に増加させることに成功しました。さらに、成功した施策を横展開することで、問い合わせ数はさらに2.5倍にまで拡大しました。
この事例からわかるのは、最初に注力すべき事業を決め、成功事例を横展開していくというアプローチの有効性です。小さく始めることでリスクを抑え、成果につながった施策を横展開することでリターンを大きく得ていく考え方を身につけたことで、組織全体でスピード感を持って成長できました。
まとめ
デジタルマーケティングの伴走支援における最大の価値は、成果と内製化を同時に実現できることにあります。広告やSEOによる短期的・中長期的な成果の創出はもちろん、社内のスキルや仕組みを整えることで、支援終了後も自走できる体制が残ることが大きな特徴です。
一方で、コンサルティングや代行だけでは「成果は出るがノウハウは残らない」「提案はしてもらえて納得できるが、実行するリソースがない」といった課題に直面しがちです。その両方を補完できるのが伴走支援であり、今後ますます必要性は高まっていくでしょう。
「どこから手をつけて良いかわからない」「社内に知見がないから、そもそもどんな会社を選べば良いのかわからない」と感じている場合は、当社アクトデザインラボまでお気軽にご相談ください。

