コーポレートサイトの「構成」は、サイト成功のカギを握る重要な要素です。なぜなら、企業のコーポレートサイトは、単なる情報の寄せ集めでは成果につながらないからです。目的やターゲットに合わせた情報設計ができていないと、離脱率が高まり、期待する効果を得ることが難しくなります。
逆に、緻密に設計された構成は、企業の信頼性を高め、問い合わせや採用応募といった具体的な成果に直結します。サイト訪問者に必要な情報を適切に届け、アクションへと導くためには、計画的な構成設計が不可欠です。
今回は、コーポレートサイトの構成を設計する上での重要な考え方やポイントと、当社「アクトデザインラボ」のコーポレートサイトの設計に置ける成功事例を紹介します。
コーポレートサイト構成を考える前に|目的・役割・ホームページとの違い
コーポレートサイトの構成を考えるには、まずその役割や目的を正しく理解することが欠かせません。ただ情報を並べるだけでは成果は生まれず、誰に何を届けるかを明確にする必要があります。さらに、混同しがちなホームページとの違いも整理しておくことで、より精度の高い構成設計が可能です。ここでは、コーポレートサイトの基本的な考え方を整理します。
コーポレートサイトの定義と企業の役割
コーポレートサイトとは、企業が公式に情報を発信し、ステークホルダーとの信頼関係を築くためのWebサイトです。単なる会社紹介にとどまらず、理念や事業内容、実績などを体系的に伝える役割を担っています。
そのため、インターネット上では、企業の第一印象を左右する存在ともいえます。洗練されたデザインや、わかりやすいナビゲーション設計、正確かつ網羅的な情報発信が、企業への信頼感を醸成するうえで不可欠です。
コーポレートサイトの目的
コーポレートサイトは、対象とするステークホルダーによって果たす役割が異なります。企業ブランドの強化やリード獲得、採用活動の支援といった成果にも直結します。それぞれに応じた情報発信を行うことで、企業の信頼性向上やビジネス成果につなげることが可能です。
対象 | 目的・役割 |
---|---|
顧客 | 製品・サービス情報を提供し、購買意欲の促進と満足度向上を図る。問い合わせ・リードを獲得する。 |
求職者 | 企業理念や職場環境、募集情報を発信し、優秀な人材の獲得を目指す。 |
株主・投資家 | 経営状況、財務情報、IR情報を開示し、企業価値への理解促進を図る |
ホームページとの違い
コーポレートサイトとホームページはしばしば混同されがちですが、目的や情報構成に明確な違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、より効果的なサイト設計が可能です。
比較対象 | コーポレートサイト | ホームページ |
---|---|---|
定義 | 企業活動や理念に基づき、体系的に情報発信する公式サイト | トップページまたはWebサイト全体を指す一般的な呼称 |
主な目的 | 企業情報の発信、信頼性向上、ステークホルダーとの関係構築 | 趣味紹介や情報共有など多目的 |
対象読者 | 顧客、求職者、株主・投資家など特定ステークホルダー | 個人・一般ユーザーなど幅広い |
情報の範囲・深さ | 企業に関する広範かつ深い情報提供が求められる | 限定的な場合が多い |
他のWebサイトとの違いや関係性
企業が運営するWebサイトには、コーポレートサイト以外にもさまざまな種類があります。
たとえば、サービスサイトは特定の製品やサービスに特化し、購買や利用促進を目的とするサイトです。 採用サイトは、企業文化や求人情報を訴求し、求職者からの応募を促す役割を持ちます。また、オウンドメディアでは、専門的な情報や事例紹介を発信し、顧客とのエンゲージメントを高めることが目的です。
これらのWebサイトは、それぞれ独自の役割を担いながら、コーポレートサイトを中心に連携し、企業全体のWeb戦略を強化します。コーポレートサイトは、これら各サイトへのハブとして機能し、情報の統合や導線の最適化を支えます。
コーポレートサイトの「構成」の基本的な考え方
成果につながるコーポレートサイトを作るためには、単にページを作成するだけでは十分とはいえません。効果的な構成を実現するには、明確な方針に基づき情報を整理し、ユーザーが迷わず目的にたどり着ける導線を整えることが重要です。ここでは、コーポレートサイトの構成を考えるうえで押さえておきたい基本的なポイントについて、順を追って解説します。
- 目的とターゲットを明確化する
- ユーザーニーズを満たす導線を設計する
- 必要なコンテンツの洗い出しと分類を行う
- サイト全体の設計図(サイトマップ)を作成する
- ページ単位のレイアウト(ワイヤーフレーム)を検討する
- デザインと機能を検討する
目的とターゲットを明確化する
コーポレートサイトの構成設計において、最初に行うべきは「何のために」「誰に向けて」サイトを作るのかを明確にすることです。目的が曖昧なままでは、コンテンツの方向性もぼやけてしまい、成果にはつながりません。
たとえば、BtoB企業のコーポレートサイトでの場合、目的がリード獲得の場合、ターゲットとなるのは企業の購買担当者や技術担当者となり、そのためのサイト構成が考えられます。目指す成果とターゲット像を具体的に定めることで、コンテンツ設計や情報構造の軸が明確になり、効果的なサイト構成が実現可能です。
ユーザーニーズを満たす導線を設計する
コーポレートサイトを効果的に作るには、訪問してくるユーザーが「どんな情報を探しているのか」「どんな悩みを持っているのか」をきちんと理解することが大切です。
たとえば、製品やサービスの詳しい情報を知りたいのか、会社の信頼性を確かめたいのかによって、必要とされるページや案内の仕方が異なります。また、インターネットの使い方に慣れている人もいれば、あまり得意ではない人もいるため、誰でも迷わず目的の情報にたどり着けるように工夫することが必要です。
そのためには、わかりやすいメニュー作りや、関連情報へのリンクを適切に貼ること、検索しやすい機能をつけることなどが効果的です。ユーザーがストレスを感じずに、知りたいことにスムーズにアクセスできるような「導線づくり」を意識しましょう。
必要なコンテンツの洗い出しと分類を行う
目的とターゲットが明確になったら、次はサイトに必要な情報をリストアップしていきます。
企業情報、事業紹介、製品・サービス詳細、採用情報、IR情報など、網羅的に洗い出すことが重要です。さらに、洗い出したコンテンツを「企業情報系」「サービス紹介系」「サポート情報系」など目的別に分類することで、サイト全体の構造を整理しやすくなります。
◯例:コーポレートサイトのコンテンツ整理表
分類 | コンテンツ例 |
---|---|
企業情報系 | 会社概要、企業理念、沿革、拠点情報、代表メッセージ |
サービス紹介系 | 事業内容、製品・サービス紹介、導入事例、お客様の声 |
サポート情報系 | FAQ(よくある質問)、お問い合わせ、資料ダウンロード |
採用情報系 | 採用情報、働く環境紹介、社員インタビュー |
IR・株主向け情報系 | IRニュース、財務情報、株主・投資家向け情報 |
コミュニケーション系 | お知らせ・ニュースリリース、ブログ・コラム、SNSリンク |
サイト全体の設計図(サイトマップ)を作成する
コーポレートサイトに必要な情報を整理できたら、次はその情報をどのようにまとめるかを考えます。ここで作るのが「サイトマップ」です。
サイトマップとは、Webサイト全体の構成をわかりやすく図にしたものです。どのページがトップページの下にあるか、どんな順番で情報が並んでいるかを整理し、ひと目でサイトの流れがわかるようにします。
サイトマップをきちんと考えることで、訪れた人が迷わずに目的の情報にたどり着けるようになります。また、ページのつながりを論理的に整えることで、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにもサイトの内容が伝わりやすくなり、検索結果に表示されやすくなる効果も期待できます。
ページ単位のレイアウト(ワイヤーフレーム)を検討する
サイト全体の流れ(サイトマップ)が決まったら、次はそれぞれのページの中身を考えていきます。ここで使うのが「ワイヤーフレーム」と呼ばれるものです。
ワイヤーフレームとは、ページに載せる情報をどの位置に置くかを、簡単な図にして整理した設計図のようなものです。たとえば、「見出し」「画像」「問い合わせボタン」などの要素を、ページの中でどこに何を置くかを決めるときに使います。
特に、重要な情報を目立つ場所に配置したり、ボタンやフォームなどを使いやすい位置に置いたりすることが、使いやすいWebサイトにつながります。
デザインと機能を検討する
最後に、サイトの見た目や、使える機能について具体的に決めていきます。
デザインは、企業のブランドイメージを表現するだけでなく、サイトを訪れた人に親しみや信頼感を持ってもらうためにもとても大切です。また、お問い合わせフォームや資料請求ページ、SNSと連携する仕組み、サイト内検索、多言語対応など、サイトに必要な機能もきちんと考えて組み込んでいきます。
見た目の良さと使いやすさ、どちらも両立させることで、より成果につながるコーポレートサイトを作ることができます。
コーポレートサイトに「必ず掲載すべき」構成要素
成果につながるコーポレートサイトを構成するためには、どの企業にも共通して求められる基本的なページやコンテンツを押さえておく必要があります。ここでは、特に重要となる必須の構成要素について、それぞれの役割やポイントを詳しく解説します。
- トップページ
- 会社概要・企業情報
- 事業内容・製品/サービス紹介
- お知らせ・ニュースリリース
- お問い合わせフォーム
- 個人情報保護方針(プライバシーポリシー)
- サイトマップ
トップページ
トップページは、コーポレートサイトの顔となる重要なページです。企業の概要や最新情報、主要コンテンツへのリンクなど、重要な情報を集約しユーザーに伝えつつ、訪問者に強い第一印象を与えます。
また、単に情報を並べるのではなく、ターゲットユーザーを目的の情報へスムーズに導くことが求められます。わかりやすいナビゲーションや、行動を促すCTA(Call to Action)を戦略的に配置することが重要です。
会社概要・企業情報
会社概要ページは、企業の基本情報を訪問者に伝えるためのコンテンツです。企業理念や沿革、拠点情報、代表者メッセージなどを掲載することで、企業の信頼性と透明性を示します。特に初めて訪問するユーザーやステークホルダーに対して、信頼感を与える役割を持っています。
事業内容・製品/サービス紹介
事業内容ページは、企業が提供する製品やサービスについて詳しく紹介するコンテンツです。製品の機能、特徴、導入事例などを具体的に説明し、見込み顧客に自社の強みや提供価値を明確に伝えます。また、顧客のニーズや課題に応える情報を効果的に届けることで、興味・関心を引き出し、購買意欲や問い合わせ行動へとつなげる役割も担っています。
お知らせ・ニュースリリース
お知らせ・ニュースリリースは、企業の最新情報を発信するためのコンテンツです。新製品やサービスの発表、イベント情報、メディア掲載実績、業績発表などをタイムリーに掲載し、Webサイト全体の鮮度を保ちます。また情報を定期的に発信することで、企業が積極的に活動していることを示し、訪問者に対して信頼感と安心感を与えることができます。
お問い合わせフォーム
お問い合わせフォームは、潜在顧客や求職者などからの問い合わせを受け付けるための重要なページです。ビジネスチャンスや人材採用の機会を逃さないための大切な接点となります。スムーズな入力をサポートするため、フォームの設置場所はわかりやすく、かつフォーム自体の入力項目はシンプルにまとめます。
個人情報保護方針(プライバシーポリシー)
プライバシーポリシーは、ユーザーから取得する個人情報の取り扱いについて明示するページです。収集する情報の内容、利用目的、管理体制などを具体的に記載し、ユーザーに対して個人情報を適切に取り扱っていることを伝え、信頼性をアピールします。
サイトマップ
サイトマップは、Webサイト全体の構成を一覧できるページです。訪問者がサイトの全体像を把握し、目的の情報にスムーズにたどり着けるようサポートします。また、ナビゲーションを補完し、ユーザー体験の向上に貢献します。
成果を最大化するためのコーポレートサイト構成要素
基本的なコーポレートサイトの構成要素を押さえることに加え、さらにプラスアルファのコンテンツを盛り込むことで、得られる成果はより大きなものになります。ここでは、ユーザーとの信頼関係を築き、企業価値を高め顧客エンゲージメントを深めるために有効なコンテンツについて解説します。
- ユーザーの信頼性・共感を高めるコンテンツ
- ステークホルダーに対し企業価値を向上させるコンテンツ
- 顧客エンゲージメントを深めるコンテンツ
ユーザーの信頼性・共感を高めるコンテンツ
コーポレートサイトには、企業の文化や価値観を伝えるコンテンツを積極的に組み込むことが大切です。単に事業内容を紹介するだけでなく、企業の実績や社員の姿を紹介することで、ユーザーとの距離を縮め、共感を育むことができます。
◯コンテンツ例
種類 | 内容 |
---|---|
実績・お客様の声 | 過去のプロジェクトや顧客の評価を紹介し、具体的な成果をアピール |
代表・社員紹介 | 経営者や社員の顔写真・メッセージを通じて企業文化を伝える |
ストーリーコンテンツ | 設立秘話や製品開発エピソードを紹介し、ブランドへの愛着を育む |
ステークホルダーに対し企業価値を向上させるコンテンツ
コーポレートサイトは顧客だけでなく、求職者や株主、投資家など多様なステークホルダーに向けた情報発信の場でもあります。各ステークホルダーにとって必要な情報を充実させることで、企業全体の信頼性とブランド価値をさらに高めることができます。
◯コンテンツ例
種類 | 内容 |
---|---|
採用情報 | 企業のビジョンや働く環境、キャリアパスを詳しく紹介し、優秀な人材の獲得を支援 |
IR情報 | 経営戦略、財務データ、株主向け情報を開示し、投資家との信頼関係を構築 |
CSR・サステナビリティ | 環境保護活動や社会貢献の取り組みを紹介し、企業イメージを向上 |
顧客エンゲージメントを深めるコンテンツ
顧客と継続的な関係を築くこともコーポレートサイトの重要な役割です。顧客の満足度を高め問い合わせや購買活動へとつなげるために、コミュニケーションの機会を意識して役立つコンテンツを設置することも重要といえます。
◯コンテンツ例
種類 | 内容 |
---|---|
ブログ・コラム | 業界情報や専門知識、ノウハウを発信し、専門性をアピールしたり、SEO効果を期待したりできる |
FAQ | よくある質問への回答をまとめ、顧客の疑問解消と問い合わせ負担の軽減を実現する |
SNS連携 | 企業SNSへのリンクを設置し、情報発信の拡大とユーザーとの接点を増やす |
コーポレートサイト構成を見える化する方法|サイトマップとワイヤーフレーム
効果的なコーポレートサイトを作るには、構成を「見える化」して整理することが欠かせません。それに役立つのが、サイト全体の構造を図にまとめる「サイトマップ」と、各ページの情報配置を考える「ワイヤーフレーム」です。ここでは、サイトマップとワイヤーフレームの考え方や作り方について解説し、さらに作成にあたって使えるツールを紹介します。
サイト構成の全体像を示す「サイトマップ」の作り方
サイトマップは、Webサイト全体のページ構成を一覧にまとめた設計図のようなものです。各ページの位置や役割を視覚的に整理できるため、情報構造を俯瞰しやすくなります。また、作成することでコンテンツの漏れや重複を防ぎ、関係者間でサイト全体の認識を揃えることにもつながります。
サイトマップの基本的な作成手順は次のとおりです。
- サイトの目的とターゲットを明確にする
- 必要なコンテンツをリストアップ・分類する
- トップページを起点に論理的な階層構造を設計する
- ExcelやPowerPoint、専用ツールを使って視覚的にまとめる
- 関係者と共有し、フィードバックをもとに改善する
こうした手順を踏むことで、効果的なサイト構成が実現できます。なお、サイトマップ作成に役立つ主なツールを記載しますので、ぜひ活用して整理してみてください。
ツール | 特徴 |
---|---|
Excel | リスト形式で簡単にまとめられ、階層をインデントや色分けで表現できる。 |
PowerPoint | 図形やコネクタを使って、視覚的にわかりやすいマップを作成できる。プレゼン資料としても活用できる。 |
専用ツール(MindMeister、OmniGraffle、Slickplanなど) | サイトマップ作成に特化し、共同編集やバージョン管理など便利な機能が充実している。 |
ページ構成を形にする「ワイヤーフレーム」の基本と作り方
ワイヤーフレームは、Webページ内の情報配置を示す設計図です。テキスト、画像、ボタン、フォームなど、各要素をどの位置に置くかを線や図形で表現し、情報の配置と機能に焦点を当てます。ワイヤーフレームを作成することで、ページ内の情報整理や、視線・操作性を意識したレイアウト検討が可能になります。
さらに、情報の過不足や配置ミスを早期に発見できるため、手戻りを防ぎ、開発の効率化にもつながります。デザイナーやエンジニア、コンテンツ担当者間で、ページ構成に関する共通認識を持つうえでも重要な役割を果たすので、実際の制作作業の工程でも重要です。
ワイヤーフレーム作成の基本手順は次のとおりです。
- 作成するページの目的と、掲載すべきコンテンツを明確にする
- 各要素(テキスト、画像、ボタン、フォームなど)をどの位置に配置するか検討する
- 情報の優先順位を決め、重要なものほど目立つ配置にする
- ユーザーが自然に行動できるように、導線(ボタンやリンク)を設計する
- 手書きや専用ツールでワイヤーフレームを作成する(テキストはダミー、画像は枠線などで表現)
- 完成したら関係者と共有し、フィードバックをもとに改善する
なお、ワイヤーフレーム作成には、さまざまなツールが活用できます。代表的なものを以下にまとめます。
ツール名 | 特徴 |
---|---|
手書き | 紙とペンで手軽に作成可能。アイデア出しや初期ラフに最適。 |
Sketch | Mac専用ではあるが、ワイヤーフレームからUIデザインまで一貫して対応可能。 |
Figma | ブラウザ上で動作し、リアルタイム共同編集ができるUIデザインツール。 |
Adobe XD | ワイヤーフレーム作成からプロトタイピングまで幅広く対応。 |
Balsamiq Mockups | 手書き風デザインで素早くワイヤーフレーム作成が可能。 |
Axure RP | 複雑なインタラクション設計にも対応可能。 |
アクトデザインラボにおけるコーポレートサイトの構成における成功事例
コーポレートサイトのリニューアルは、単なるデザイン変更にとどまらず、自社の強みや魅力を再発見し、戦略的に発信するための重要な機会となります。ここでは、当社アクトデザインラボにおいて、事業内容や組織変更、サービス特性に応じた構成の見直しを行い、各社の個性を効果的に伝えるサイトへと進化させた事例を3つ紹介します。
コーポレートアイデンティティを反映した構成リニューアル|A社(古民家再生関連)
A社は、古民家再生事業を展開している企業です。リニューアル前のコーポレートサイトは、事業紹介や会社情報を掲載するだけのシンプルな構成であり、現状の事業内容や会社の魅力を十分に伝える構成にはなっていませんでした。
さらに、デザイン面でもトレンドに合っておらず、社内評価が低下していたため、会社の信頼性向上と現状反映を目的としてサイト全体の構成を見直すリニューアルを実施しました。
打ち合わせを重ねる中で、事業内容だけでなく、会社が持つ雰囲気やトーンといった非言語的な要素も丁寧にすり合わせた結果、A社らしさを明確に表現できるコーポレートサイトの構成を実現しました。
強みを再定義し情報発信力を高めた構成リニューアル|B社(コンサル業)
事業ドメインの拡大に伴う会社組織の変更を機に、コーポレートサイトのリニューアルを実施した事例です。
組織変更に向けた情報整理の過程で、当社は丁寧なヒアリングを重ね、クライアント様と共に言語化と視覚情報化をデザインと並行して進めました。このプロセスを通じて、これまで言語化されていなかった自社の強みや提供価値が明確になりました。
リアルタイムで情報を共有しながら細やかなニュアンスをすり合わせることで、理解の解像度を高めることができたとご評価いただいています。クライアント様は、自社が抱える課題や組織構造を改めて棚卸し、強みや差別化ポイントを再認識されました。
整理された情報をもとに、顧客に向けてよりシャープで魅力的な情報発信が可能となり、事業成長を加速させる強力なエンジンとなるコーポレートサイトとなりました。
中小企業ならではの強みを構成に落とし込んだリニューアル|C社(セキュリティ系ウェブアプリ関連)
C社は、サービスリニューアルに合わせてコーポレートサイトの改修を実施しました。
セキュリティ系サービスという特性上、取引先に安心感を与えることが大きな課題でしたが、大手企業と比べて実績数の訴求が難しい状況にありました。そこで、顧客に対する信頼要因を調査し、定性・定量の両面から情報を整理しました。
その結果、知見の深さや顧客一社ごとに丁寧に対応する姿勢といった、中小企業ならではの強みを明確化することができました。コーポレートサイトのリニューアルを通じて、自社の強みや他社との差別化ポイントを改めて整理し、より効果的な構成へと進化させています。
コーポレートサイト構成の重要ポイント
コーポレートサイトの構成には、設計段階から意識すべき重要なポイントがあります。最後に、ユーザーにとって使いやすく、企業にとっても成果につながるサイトを目指すために押さえておきたい4つのポイントを解説します。
- ユーザー体験(UX)の最適化
- 集客と成果につながる施策
- 情報品質と信頼性の維持
- 継続的な改善
ユーザー体験(UX)の最適化
まず大切なのは、ユーザー体験(UX)の最適化です。ユーザーがサイト内を迷わず進めるように、直感的に理解できる導線とシンプルな階層構造を設計することが基本です。加えて、スマートフォンやタブレットなどさまざまなデバイスで快適に閲覧できるモバイルフレンドリー対応も不可欠です。
また、年齢や障がいの有無に関係なく、誰もが使いやすいようアクセシビリティにも配慮することも、あらゆるユーザーに対して開かれたサイト作りにつながります。
集客と成果につながる施策
コーポレートサイトは、企業活動を紹介するだけでなく、集客やビジネス成果に直結させるための仕掛けも必要です。たとえば、検索エンジンに評価されやすくするために、SEOを意識した構成設計を行い、キーワードの選定や内部リンク設計を丁寧に進めることが求められます。
さらに、資料請求やお問い合わせといった次のアクションに自然に誘導できるよう、効果的なCTA(Call To Action)を適切な位置に配置することも重要です。ユーザーが最初に目にするトップページのファーストビューでも、サイトの目的や魅力を瞬時に伝える工夫が必要です。
情報品質と信頼性の維持
訪問者に安心感を与えるには、提供する情報の質と整理の仕方にも細心の注意を払わなければなりません。網羅的でわかりやすい情報提供を心がけ、ユーザーが求める情報にすぐアクセスできる構成を目指します。
また、サイト全体で一貫したデザインやトーン&マナーを保つことも、企業の信頼感を高めるうえで欠かせません。さらに、コンテンツの鮮度を保つためには、定期的な更新とメンテナンスを怠らず、古くなった情報の修正や新しい情報の追加を続けることが重要です。
継続的な改善
コーポレートサイトは公開して終わりではありません。効果測定を行い、アクセスデータやユーザー行動を分析して、常に改善点を探り続けることが必要です。
また、ユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れ、実際のニーズに応じたサイト改善を図る姿勢も大切です。社会や技術の変化に合わせ、適切なタイミングでサイト全体のリニューアルも検討し、サイトの価値を長期的に維持していきましょう。
まとめ
コーポレートサイトは、単なる情報発信の場ではありません。企業の信頼や価値を伝え、ビジネス成果に直結する重要なツールです。そのため、コーポレートサイトの構成は単にページを並べるだけでなく、目的や魅力を的確に伝え、成果へと導くための設計が求められます。
目的に沿った構成設計を丁寧に行うことが、ビジネス成功への確かな一歩となるでしょう。コーポレートサイト制作をご検討中の方は、実績豊富な当社「アクトデザインラボ」にぜひご相談ください。初回のヒアリングから丁寧に寄り添い、成果を出すサイトづくりをお手伝いします。